完全オンラインでの商業登記申請について

完全オンラインでの商業登記申請について

司法書士の植田麻友です。弊所は新たに下記のシステムを導入しております。

株式会社リーガル
RSS-SR | 株式会社リーガル PDF文章への電子署名をもっと手軽にマイナンバーカードを登記申請に。RSS-SRは司法書士の完全オンライン申請をサポート。

こちらを利用することで完全オンラインでの登記申請が可能となります。

完全オンライン申請とは

株式会社や合同会社の登記申請を法務局に行う場合、申請の情報はオンラインで送信し、株主総会議事録等の書面は書面を郵送又は持参する方式、特例方式が最も多くなっております。これは、株主総会議事録等の書面は登記申請日以降に法務局に到着したとしても、申請の情報をオンラインで申請されると、法務局で受付がなされ、受付番号を確保できる点に利点があります。現在、法務局ではオンライン申請を進めており、この様式が最も多いと考えられます。

しかし、これはあくまでの書類については、アナログ(印鑑の捺印が必要)であるため、遠隔地に印鑑を保管されていたり、海外に住んでいる場合にはスムーズな印鑑の捺印が難しく、登記申請までに時間を要する場合があります。

こんな時に便利なのが完全オンラインでの申請です。これは、印刷した紙に印鑑を捺印するのではなく、データに電子署名を行い、そのデータを法務局に申請することで登記申請・受付が可能となる申請方法です。

完全オンライン申請の普及率

現在、1部をオンライン化している申請は約7割とのことですが、完全オンライン申請についての割合は出ていません。ただし、法務省も審査を迅速に進めるためにオンライン申請は促進している状態です。

法務省による完全オンライン申請のご案内

完全オンライン申請を行うために必要なもの

完全オンライン申請を行うためには、電子署名ができるツールが必要です。利用可能な電子証明書は法務省に記載されており、随時増えております。ただ、電子署名というものは、大きく2種類あり、「認印相当」のものと「実印相当」のものがあり、後者の実印相当の電子署名はかなり数が限られております。しかし、その中でも比較的誰でも利用しやすいのがマイナンバーカードを利用した電子署名です。

マイナンバーカードを利用した電子署名とは

マイナンバーカードには電子証明書が登録されているため、一定の手続きを踏むことでマイナンバーカードによる電子署名が可能です。電子署名とは、紙に印鑑を押すことを電子化した、データに印鑑を押すということです。弊所活用システム(RSS-SR)を利用したマイナンバーカードによる電子署名を行うためには下記をご準備お願いいたします。

● マイナンバーカード
● マイナンバーカードの6桁~16桁の英数字(パスワード)
● スマートフォン
● アプリストアのIDとパスワード ※アプリのダウンロードが必要です。

従来は、法務省からダウンロード可能な申請用総合ソフトによって電子署名が可能でしたが、これはPCが必要なので、上記のシステムがスマートフォンで完結することを考えるとかなり簡便であるといえます。もちろん、PCでの署名も可能ですので、ご検討されている方は下記をご参照ください。

RSS-SRを利用したスマートフォンによる電子署名の方法

①アプリストアにてアプリのダウンロードをお願いいたします。
「RSSモバイル」で検索してください。

②司法書士にお伝えされたメールアドレス宛にメールが届きますので、メールの指示に従って手続きをお願いいたします。

「ログインURL」をクリックしていただくと、電話番号入力画面がございますので、ご入力をお願いいたします。

二段階認証によりメッセージが届きますので、SMSをご確認お願いいたします。受信した「認証コード」をご記入ください。
署名に同意する場合には「同意する」を選択し、表示されたQRコードを「RSSモバイル」のアプリにて読み取りをお願いします。

③スマートフォンでの署名

スマートフォンでアプリを起動し、アプリでQRコードを読み取ると添付のような表示がされるため、画面に指示に従い進んでください。

途中、マイナンバーカードの署名用暗証番号の入力がございます。6桁~16桁の暗証番号を入力ください。入力後、スマートフォンとマイナンバーカードを接触して認証をお願いいたします。ご署名内容に誤りがなければ、「署名済みファイルを送信」を押してください。

これで署名が完了です。

完全オンラインのみでの登記申請のメリット

上記署名が完了しますと、システム内で電子署名されたデータをダウンロードし、これを法務局に申請させていただきます。

この手続きを利用することのメリットは下記のとおりです。

● 印鑑が遠隔地でもマイナンバーカードがあればスムーズに捺印(電子署名)が可能

● 法務局の処理が早い(傾向があると言われています)

● 書類ではなくデータなので保管がしやすい

● 1人社長1人株主の場合、1人のマイナンバーカードですべて捺印が可能

一方で下記のようなデメリットもあります。

● 電子署名に不慣れな場合、署名に時間がかかる。

● マイナンバーカードのパスワードがなければ手続きができない。

● 印鑑登録(印鑑届書)の捺印が必要な場合、結局会社実印そのものの捺印が必要。

  1枚に捺印するならすべての紙に捺印すれば良いのでは…?と感じる。

● 電子署名に抵抗がある方もいる。※特に当事者が多い場合

個人的には、普段から電子署名を利用している方であれば、比較的簡便ですが、不慣れな方にとっては難しいかもしれません。現状、スマートフォンで電子署名ができるようになったとはいえ、日本の社長の平均年齢は70歳を超えているのですから、新しいツールは馴染みにくい可能性が高いです。

とはいえ、今まで遠隔地で印鑑の捺印に時間や手間がかかっていた方からすればとても利用しやすいツールだといえます。特に1人社長の会社であれば、その方のマイナンバーカードの電子署名があれば、すべての登記申請は可能ですのでかなりスムーズに進みやすいといえます。

司法書士の所感

すぐに普及は難しいでしょうが、少しずつ完全オンライン申請は普及していくと考えられます。私自身、自分が関わっている会社(合同会社)の設立は完全オンライン申請で行っており、お客様でも数社対応させていただいております。司法書士を含めて士業は、PCにて電子署名を行う機会も多いため、あまり抵抗がないと感じられます。一方で、業界によってはFAXの利用や電話が主流な業界もありますので、そういった業界であればなかなか普及は難しいと考えます。ITリテラシーとは別に、日本人が持っている印鑑に対する信頼感についても歴史のあるものですから、ここが変わることも難しいでしょう。私自身も自分の印鑑は大切にしておりますので、リテラシーとは別に感情的な面でもすぐに普及するのは難しいと考えます。しかし、便利な面もありますので、少しずつ普及し、多くの社長にとって扱いやすいものとなっていくことを望みます。

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私が記事を書きました。

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司法書士・行政書士/植田麻友

1988年岸和田生まれ、堺育ち。2011年司法書士試験合格。父親が中小企業経営者であったが、幼い頃に会社が倒産し、貧しい子供時代を過ごした経験から中小企業支援を決意。経営者とその家族まで支援できる企業・事業承継支援を行う。

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