【役員変更】取締役の任期を変更する

司法書士の植田麻友です。

株式会社の取締役の任期は１年から１０年の間で定款で定めることが可能です。

これは、同じ方が取締役に就任する場合であっても少なくとも１０年に１回は登記が必要だということです。株式会社設立から１０年以上経過している会社様は、取締役の任期が切れていないか確認することが大切です。

取締役の任期はどこに記載があるのか

取締役の任期は定款に記載があります。定款は株式会社の設立時に必ず作成しておりますので、それを確認しましょう。なお、定款については、株式会社の設立後も株主総会の決議によって変更することが可能です。

まず定款を確認しましょう

定款例

取締役の任期の変更の流れ

①　取締役会（取締役の決定）により株主総会開催の決議

②　株主全員へ招集通知の発送

③　株主総会開催

④　定款変更（取締役の任期変更）の決議

上記ですが、株主全員の同意があれば①②を省略し、③についても書面によって決議することが可能です。株主総会開催に向けてのフローについては、株主構成・株式会社の機関設計によって異なりますので、詳細は司法書士までお問い合わせください。

なお、取締役の任期を変更するのみでは登記は不要ですが、決議に伴う株主総会議事録の作成が必要となりますので、司法書士への依頼により手続きがスムーズとなります。

定款変更により登記がなくても議事録作成が必要！

議案例

天災による任期伸長

　新型コロナウイルスの蔓延により、例年通りの株主総会を開催でない会社が多く出ました。その際に問題になったのが、取締役の任期を定款で定時株主総会の終結時と定めている場合です。法務省は「定時株主総会の開催時期に関する定款の定めがある場合でも、通常、天災その他の事由によりその時期に手時株主総会を開催できない状況が生じたときまで、その時期に定時株主総会を開催することを要求する趣旨ではないと考えられます。（中略）その場合、改選期にある役員の任期については、定時株主総会を開催することができない状況が解消された後合理的な期間内に開催された定時株主総会の終結の時までとなるものと考えられます」という会社を示しました。

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司法書士・行政書士/植田麻友

1988年岸和田生まれ、堺育ち。2011年司法書士試験合格。父親が中小企業経営者であったが、幼い頃に会社が倒産し、貧しい子供時代を過ごした経験から中小企業支援を決意。経営者とその家族まで支援できる企業・事業承継支援を行う。