【会社設立】株式会社を設立する準備/本店編
司法書士の植田麻友です。
株式会社を設立するにあたって決めるべき事項のひとつとして「本店(住所)」があります。この本店は登記され、会社の本店がどこに存在しているのが誰でも見れる状態となります。この本店についてどのように定めるべきが今回は確認していきましょう。
基本的な本店の決め方
会社の本店を決める場合にまず「その住所に郵便が届く」ことを想定してみましょう。会社の本店は基本的に自由に決めることができるのですが、登記に記載された会社住所(本店)は正式な住所になるため、公的な書類や重要な書類はその住所に到着する可能性が高いです。転送するという方法も考えられますが、郵便によっては「転送不可」となっているため、転送することはできません。
重要な書類が到着しないリスクを考えると、郵便が届く住所を本店にすることが良いでしょう。この郵便が届くというのは、単にその場所にいる、ではなく下記のような方法が考えられます。
❶ 郵便局に転送届を行う。
❷ 看板をつける(テプラでも可!会社の名前が認識できる状態にする)
自宅を本店とすることは可能か
結論としては可能です!ただし、何点か注意があります。
まず、賃貸の場合です。賃貸は当然、家主や管理会社がいますが、当初の賃貸契約について「住居」としての利用を目的に契約をしていることがほとんどです。その場合、事務所等として事業用として利用すると契約違反になる可能性があります。賃貸の物件を会社の本店として利用する場合には、必ず事前に家主又は管理会社に事前の承諾をとるようにいたしましょう。また、取得する許認可によっては変更を求められる可能性があるので注意しましょう。
また、マンションやビルの場合には、マンション名・ビル名まで表記するかの問題があります。基本的には、住所の表記にマンション名・ビル名はなくとも大丈夫です。ただし、その名前がなくとも郵便が到着することが前提となります。マンション名・ビル名を登記している場合には、オーナー変更があった場合には、登記変更が必要となり、余分な費用も発生しますので、あまりおすすめはしません。
一方で部屋番号は、どの部屋がその会社の所在であるかを確認するために記載することが良いでしょう。ただし、ビルのよってはエレベーターホールに入居している会社名が記載されている場合があります。その場合、あえて部屋番号がなくともどこに入居しているかが明らかですので、記載しないという選択もあります。
バーチャルオフィスを本店とできるのか?
バーチャルオフィスとは、通常のオフィスに比べてかなり安価に借りられるオフィスですが、実際に執務室や部屋が存在するというよりは、住所だけを貸し出しているオフィスです。バーチャルオフィスも様々でして、多くの場郵便の受取りや電話番号の提供がありますが、専用スペースがないためプライバシーが確保されにくいという側面もあります。
登記の住所にできるバーチャルオフィスも多いので利用される方も多いでしょう。しかし、バーチャルオフィスにはデメリットがあります。バーチャルオフィスを本店とした場合、❶銀行口座開設が困難❷融資が困難❸許認可要件を満たさない可能性があります。特に❶については、近年通常のオフィスを借りていても法人の口座開設は難しくなっており、バーチャルオフィスであればなおさらです。
銀行口座開設については、ネット銀行であれば比較的に開設しやすいためその選択肢もありますが、ネット銀行だけでは難しいという事業の場合には、やはりバーチャルオフィスの選択はとらない方が良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。会社を設立する際には必ず本店を定める必要があります。ご自身の会社や事業について考慮した上で決定していくことが良いでしょう。現在は、シェアオフィスやバーチャルオフィスという選択肢もあります。ご自身の経営に何かプラスとなるか検討の上、判断していくことが好ましいでしょう。
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私が記事を書きました。
中小企業をを元気にする活動をしています!!
司法書士・行政書士/植田麻友
1988年岸和田生まれ、堺育ち。2011年司法書士試験合格。父親が中小企業経営者であったが、幼い頃に会社が倒産し、貧しい子供時代を過ごした経験から中小企業支援を決意。経営者とその家族まで支援できる企業・事業承継支援を行う。 |
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