【堺の司法書士が解説】兄弟姉妹が相続人になるときの注意点

【堺の司法書士が解説】兄弟姉妹が相続人になるときの注意点

~堺市で相続手続きをお考えの方へ、司法書士が詳しく解説~

大阪の堺の司法書士の植田麻友です。

弊所は南海堺東駅が最寄りの司法書士事務所です。

 


はじめに|「兄弟相続」は複雑でトラブルが起きやすい

相続というと、配偶者や子どもが相続人となるイメージがありますが、被相続人(亡くなった方)に配偶者・子・親がいない場合、相続人は「兄弟姉妹」やその子(甥・姪)となります。この「兄弟相続」は、相続人の数が多く、関係も薄い場合が多いため、手続きの煩雑さや感情的な対立が起きやすいのが実情です。

堺市内でも、こうした複雑な相続ケースで困る方が多く、早めの専門家相談が重要です。


注意点①|相続人の人数が多くなることによる煩雑さ

兄弟姉妹相続では、相続人が数人、甥姪まで含めると10人以上になることも珍しくありません。
相続人が多いと以下のような問題が起きやすいです。

・戸籍収集が膨大に:兄弟・甥姪を全員確認するため、被相続人の出生から死亡まで、さらに兄弟姉妹の戸籍も必要。明治時代までさかのぼることも珍しくありません。

・相続人全員の協力が必須:不動産の相続登記、預貯金解約には全員の実印・印鑑証明書が必要です。1人でも非協力だと手続きは進めることができません。

・遺産分割協議の難航:人数が増えると意見がまとまりにくく、感情的な対立や疎遠な相続人の反発が起きやすい。


注意点②|感情の行き違いが起こりやすい

兄弟や甥姪の場合、被相続人との関係が薄いことが多く、遺産をめぐる不満が噴出しやすいです。

・「世話をしていたのに、全員同じ相続分?」

・「全く関わりのなかった親族が急に口を出してきた」

・「遺産の分け方が不公平だ」

これらは遺産分割協議を難航させ、相続手続き全体の遅延や調停・裁判に発展するリスクを高めます。


注意点③|不動産・預貯金の手続きが進まない

相続登記や預貯金の解約には、全相続人の書類(実印・印鑑証明書)が必要です。
疎遠な甥姪や行方不明の兄弟姉妹がいると、手続きは完全に止まります。

解決のためには:

・家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選任してもらう

・強制執行や遺産分割調停を申し立てる

など、費用・時間のかかる手続きを取らざるを得ない場合があります。

また、兄弟姉妹が相続人ということは、被相続人(死亡した方)と同世代であることが多く、その場合、相続人自身に認知能力の低下がみられることがあります。この場合には、本人が話し合いができないのであれば、成年後見人の申し立てが必要となります。しかし、成年後見制度はあくまで本人の財産や権利を守るための制度ですので、他の相続人とスムーズに話が進むかは非常に難しいところです。


注意点④|遺言書がないと全員の協議が必須

兄弟姉妹・甥姪相続でも、通常の相続と同様に遺言書がない場合、相続人全員の合意(遺産分割協議書)が必要です。
人数が多いと、意思統一が難しく、協議の成立までに長期間を要することも。親子での相続よりも当事者が多くなる可能性が高いので、期間もかかることが予測されます。

また、被相続人が不動産や複数口座を持っていた場合、相続手続きごとに全員の署名・押印が必要です。
遺言書があれば手続きはスムーズになり、トラブルを避けやすくなります。

なお、兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言書の作成があればかなり相続は進みやすくなるものと考えられます。


・甥・姪が相続人となる代襲相続

兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その子(甥・姪)が代襲相続人として相続します。
この場合:

・相続人の範囲が広がり、戸籍収集も複雑化

・関係が薄い甥姪との交渉や連絡が大きな負担

・一部の相続人の非協力で手続き全体がストップ

▶ 兄弟姉妹よりも疎遠であることが多く、連絡先すら知らない場合があります。その場合には早期に戸籍等を資料を収集し、連絡を取る必要があります。この場合、協力的であれば良いのですが、そうでない場合には、弁護士等に依頼して手続きを進めていただくことがおすすめです。


Q&A|兄弟・甥姪相続に関する疑問

Q1. 甥や姪は相続人になるのですか?
A. 兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、その子(甥姪)が代襲相続人になります。

 

Q. 遺言書があれば兄弟・甥姪の相続を避けられますか?2

A. 可能です。兄弟・甥姪には「遺留分」がないため、遺言で他者に財産を遺すことができます。※兄弟姉妹以外が相続人の場合には遺留分があります。

 

Q3. 相続人の1人と連絡が取れない場合は?
A. まずは戸籍の調査により現住所を確認します。それができない場合には、状況により家庭裁判所で不在者財産管理人選任を申し立てる必要があります。

戸籍には戸籍の附票という住所の記録が記載されたものがありますので、まずはこの戸籍の附票を確認いたします。

 

Q4. 相続税の申告は兄弟相続でも必要?
A. 遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人)を超える場合は、申告が必要です。

 

Q5. 被相続人の借金も相続されますか?
A. はい。相続放棄をしない限り、負債も相続されます。放棄には期限(3か月以内)があるので注意が必要です。

 

Q6. 家族信託で兄弟相続を避けられますか?
A. 一定の財産については信託を活用することで、相続手続きの煩雑さを軽減できます。専門家への相談が必要です。

 

Q7. 遺言書作成は公正証書でないとダメですか?
A. 自筆でも可能ですが、内容不備や発見されないリスクを避けるため、公正証書遺言をおすすめします。

 

Q8. 不動産を複数相続する場合、登記はまとめてできる?
A. はい。ただし不動産ごとに登録免許税がかかりますが、まとめて進めることで効率化できます。ただし、複数の不動産の法務局の管轄が異なる場合には、別々に申請を行う必要があります。


司法書士に依頼するメリット

  • 複雑な戸籍・相続関係説明図の作成
  • 戸籍収集・連絡調整の代行
  • 相続登記・預貯金解約手続きの一括支援
  • 遺言・信託・相続放棄の相談まで対応

堺市の司法書士なら、地元に根ざした安心のサポートが可能です。


司法書士費用目安

科目 金額
相続登記基本報酬 60,000円(税別)/1申請につき
相続登記筆数加算 4筆以上1筆につき5,000円(税別)
相続登記金額加算 5,000万円~1億円 ①+②+3万円(税別)

1億円以上、5,000万円ごとに +2万円(税別)

銀行口座/証券会社残高証明書 1行につき5万円(税別)※ 別途発行実費
銀行口座/証券会社取引履歴 1行につき5万円(税別)

(残高証明書と同時の場合3万円)

※ 別途発行実費

戸籍取得 1件につき2,000円 ※別途戸籍実費
郵送費用 実費のみ
ご相談料 (3時間を超えた場合)

1時間につき1万円(税別)

登録免許税 不動産評価額×4/1000
謄本取得費用 1通につき1,000円(税別) ※別途謄本実費
遺産分割協議書作成 40,000円(税別)/不動産のみ・5筆以内の場合

※内容により変動いたします。

※預貯金を含む場合は60,000円(税別)~

オンライン申請手数料 9,000円(税別)※登記申請発生する場合
法定相続情報一覧図作成 20,000円(税別)

※法定相続情報一覧図作成なし、相続関係図のみ作成の場合には18,000円(税別)

※相続人4名以上の場合、1名ごとに+10,000

死後手続き

(公共料金・諸契約解約・年金・健康保険等行政手続き一式)

120,000円(税別)

ただし、稼働時間が12時間を超えた場合には、都度1時間につき1万円(税別)加算

死後緊急対応(葬儀・火葬を含む) 300,000円(税別)
金融機関(銀行・証券会社)

解約手続き

1行につき8万円(税別)

※ 別途振込手数料実費

科目 金額
遺言公正証書作成基本報酬 150,000円(税別)~

※3回面談まで※2,000万円まで

財産額2,000万円~5,000万円  +12,000

5,000万円~8,000万円  +24,000

8,000万円~1億円    +48,000

1億円~3億円      +72,000

相談料金 3回面談を超える場合、1時間1万円(税別)
公証役場立会費用 18,000円(税別) ※事務所より1時間以内
戸籍等資料取得費用 1通につき1,500円(上限30,000円)
郵送費用/公証人手数料 実費のみ
遺産整理業務(相続手続きすべてサポートする場合)

※相続登記申請は含みません。

相続財産の価額 報酬額(税別)
500万円以下 30万円
500万を超え3000万円以下 価額の2%+20万円
3000万円を超え5000万円以下 価額の1.8%30万円
5000万円を超え1億円以下 価額の1.5%50万円
1億円以上 価額の1%+120万円

まとめ|兄弟・甥姪相続は「複雑・感情的・手続き負担大」

・相続人の人数が多くなりやすい

・連絡調整や感情的な対立が起こりやすい

・早期に司法書士の関与で、スムーズな解決とトラブル予防を


最後に|堺市で兄弟・甥姪相続のご相談は司法書士へ

相続人の調査・手続き・感情的調整まで、相続の専門家にお任せください。
堺市の司法書士が、法律と実務両面からしっかりサポートいたします。

 

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司法書士・行政書士/植田麻友

1988年岸和田生まれ、堺育ち。2011年司法書士試験合格。父親が中小企業経営者であったが、幼い頃に会社が倒産し、貧しい子供時代を過ごした経験から中小企業支援を決意。現在は、大阪府堺市で司法書士事務所を開業し、相続・法人(商業)登記をメインに活動をしています。
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