令和6年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について

令和6年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について

司法書士の植田麻友です。

本年もみなし解散の時期となりました。

毎年10月の中旬頃に全国の法務局より、一定期間登記がされていない会社の本店住所宛てに、通知がなされます。この通知に対する返信、または登記をしない場合には、職権により解散の手続きがとられるため、通知が届いた会社におかれましては早急にお手続きが必要となります。

令和6年度の休眠会社等の整理作業について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00083.html

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令和6年10月10日の時点で、最後の登記をしてから12年を経過している株式会社(以下「休眠会社」といいます。)又は最後の登記をしてから5年を経過している一般社団法人若しくは一般財団法人(以下「休眠一般法人」といいます。)は、まだ事業を廃止していない場合には、その届出をする必要があります。

令和6年12月10日までに必要な登記(役員変更等)の申請又は「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない限り、同月10日付けで解散したものとみなされ、 職権で解散の登記がされますので,御注意ください。

みなし解散がなされた場合

みなし解散登記がなれた場合には、会社は清算状態となりますので、下記のような手続きができなくなる点にご注意ください。

①配当や減資の手続き
②自己株式の有償取得
③存続会社となる合併・吸収分割や株式交換&移転等
④法人の印鑑証明書取得
※解散事業年度にかかる法人税申告が必要
※「事業取引を目的とする能力を有しない」状態となる

法人としては、解散・清算の状態となりますので、事業を拡大するような活動はできなくなるという認識をお持ちいただければと存じます。みなし解散は、法人が気づかず実施されることがほとんどですが、解散に気づくのは印鑑証明書を取得できなかったタイミングが多い印象です。

この状態に気づきましたら一刻も早く登記手続きを行う必要があります。

みなし解散では印鑑証明書の取得はできません。

みなし解散の事業年度に関する法人税申告も必要です。

みなし解散と過料について

みなし解散された場合に、代表取締役に対しては過料が課される可能性が高いです。登記手続きは本来、その原因が発生した日から2週間以内に登記が必要ですが、これが一定期間放置されると裁判所から代表取締役に過料の通知が届く可能性があります。みなし解散がされるということは、12年登記がされていないため登記が遅れている状態です。この状態になると過料が通知がいつ届いてもおかしくはありません。

過料は100万円以下の金額となりますが、過去の経験上、約30万円の過料が課されたケースもありますので、早急な対応が必要です。

また過料は代表取締役個人の住所宛てに届きますが、経費算入はできませんのでご注意ください。過料の通知には、その過料を課した理由が記載されておりますので、もしその理由に異議があるのであれば、早めに司法書士に相談し、場合によっては減額も可能かと思います。

代表取締役の個人の住所宛ての過料に気づいたら登記が遅れている可能性高!

登記手続きついて

みなし解散された会社を引継ぎ継続する(復活する)場合には、「会社継続登記」をいれる必要があります。職権解散により、取締役は抹消され、解散を進めててる状態になるので、早急にその状態の解消が必要となるためです。

登記の流れとしては下記が必要となります。※定款の内容により定款の変更や各種変更が必要となります。

①法定清算人就任登記

②会社継続の登記(同時に取締役等の選任)

が必要となります。清算人を法定清算人(従来の取締役等)以外にする場合には、一旦法定清算人の就任の登記をいれた上で、辞任をしてもらい、新たな清算人を株主総会で選任する流れとなります。つまり、法定清算人の登記は必ず必要となるのです。

なお、法定清算人(取締役)が亡くなっている場合には、任期満了前か任期満了後に死亡しているかによりお手続きがことなります。

①任期満了前に死亡している場合→死亡の登記

②任期満了後に死亡している場合→任期満了時点の退任の登記

いずれの場合にも死亡したことが分かる資料が必要となります。取締役の中に死亡した方がいる場合にはみなし解散であるか否かを問わず早急にお手続きをすることをおすすめいたします。長期間、登記がされていない会社では取締役がすでに死亡している場合は珍しくありません。現状の登記簿を確認の上、適切な形に登記をさせていただきます。

また、この場合、同一の役員が就任する場合であっても、取締役の「再任」とはみなされてませんので、取締役会非設置会社の場合、取締役の印鑑証明書が必要な点をご注意ください。

清算期間(解散後)の株式会社の株式譲渡について

これについては可能とされています。ただし、株式譲渡制限会社の場合には、従前どおり会社の承認が必要となります。

ただし、清算株式会社は自己株式の取得を行うことはできませんので、注意が必要です。

会社継続の登記の注意点

みなし解散がされたものの、事業を継続する場合には早急に会社継続の登記を行う必要があります。この場合、取締役が退任している状態のため、新たに選任する必要があります。

この場合、同じ方が就任する場合でも印鑑証明書が必要だと考えられますのでご注意ください。なお、会社がみなし解散された場合に、継続(復活)できる期間はみなし解散後3年とされています。

長期間登記をしていない、登記簿を確認していない会社におかれましては、このようなことが内容にご確認いただくことが良いでしょう。

会社継続登記のご費用

会社継続登記 24万円~

※監査役廃止・株券を発行する旨の廃止を含みます。

※定款変更を含む場合を想定しています。全く定款も変更せず機関変更のなお場合には、約20万円のご費用となります。

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司法書士・行政書士/植田麻友

1988年岸和田生まれ、堺育ち。2011年司法書士試験合格。父親が中小企業経営者であったが、幼い頃に会社が倒産し、貧しい子供時代を過ごした経験から中小企業支援を決意。経営者とその家族まで支援できる企業・事業承継支援を行う。

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